環境教育のアクティブ・ラーニングの発表会

「エコーるど京大」京大地球環境学堂・三才学林、浅利美鈴准教授が主催する環境教育のアクティブ・ラーニングの発表会にお呼ばれ。辰巳琢郎さんと「環境教育・SDGs・四方山話」の後20を超える個別発表を聞かせていただき、後から「エコラボ」で懇親会。12月14日。また長いです、スミマセン(1800文字)。

「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」はまだまだ一般には知られていないようですが、滋賀県では県政の柱とされており県内各地で住民団体や学校などが具体的な活動をすすめています。「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた人類としての17項目の環境・社会項目です。

「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」「4.質の高い教育をみんなに」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「16.平和と公正をすべての人に」など社会的目標と同時に、「6.安全な水とトイレを世界中に」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさを守ろう」、最後は「17.パートナーシップで目標を達成しよう」と実現の手法まで含まれています。今回の会合の大テーマはSDGsです。

辰巳琢郎さん。京大文学部の学生時代から『劇団そとばこまち』を主宰し、大学は7年かけて卒業。卒業と同時にNHKの連続テレビ小説『ロマンス』でデビュー。それ以来、各種の人気ドラマでの主演・助演、また最近は「日本のワインを愛する会」などを主宰、食文化や環境保全活動にも積極的に発言しておられます。昭和52年に大学入学、私もその頃、大学院生で子育て真っ最中、同じキャンパスにいたことも判明。辰巳さんは今年還暦とか!元気溌剌の還暦です。

辰巳さんがなぜ環境問題に興味をもったのか?昭和33年、大阪南部の大和川近くで生まれ育つ。子ども時代から川遊びに興じて、大和川で泳いだり、フナをつったりしていた。その川が東京オリンピックの頃から急速に汚れてしまって、日本一汚い川に!公害の広がりを感じてきた人生。今は、日本中を歩きながら、日本の自然、特に水が豊かな日本の自然の価値、四季折々の美しさ、そして各地の食、国産ワインの大切さを訴えていきたい、と。海外経験ももちろん豊富です。お嬢様はソプラノのオペラ歌手で、びわ湖ホールにもちょくちょくこられていると言う事です。

嘉田がなぜ環境問題に関心をもったのか。高校時代にあこがれた人類生誕の地、アフリカ、そのための京大探検部、でも女人禁制の中、押し入って大学3年の時に半年アフリカで文化人類学調査。その時にコップ一杯の水の大切さに感動し、水と人間のかかわり研究のためアメリカ留学、そこで「日本の水田社会の研究を」と指導教員からアドバイスを受け昭和49年から琵琶湖地域研究。子育てとの両立で苦労。琵琶湖研究と子育て経験を活かすために「もったいない」を訴えて知事職に挑戦。二期八年の間にやるべきことがやれたが、まだまだ政治の課題は多いと発言。

学生さんからの質問は、子育てと仕事の両立や知事としての仕事の成果など、かなり突っ込んだ議論ができました。そして何よりも素晴らしいのは、対談後の20を超えるグループ発表です。SDGsの具体的活動をめぐり、小学校から中学校、そして企業や行政など、多様な人たちが、SDGs17項目に則して具体的な発表。それぞれに見事なアクティブ・ラーニングになっております。それも課題解決方針もふくまれ、大変刺激的でした。

また浅利研究室自体が「エコラボ」になっていて、環境や健康に配慮した食材で、環境に配慮した料理方法(たとえば野菜の皮だけでつくったスープ等)で、ゴミを出さない懇親会が企画されています。今年の6月28日に訪問して以来二度目ですが、大学の研究室に生活感と「もったいない」感を存分にとりいれ、そこで研究姿勢、生き方、人生観もふくめて、たっぷりのアルコール付きで交流できるのが何よりです。

2002年に文理連携で実践的な「地球環境学堂」が設立されて以来、「三才学林」の理念を出された初代三才学林長の横山 俊夫さんから、「三才学林は、天・地・人の三才の調和が地球規模で明るく保たれているという文明のありようとその実現への道を、学内外にまたがる対話のなかで考えることを目的」と聞いてきました。まさに子どもたちもふくめて、三才学林の理想のタネがまかれていること、うれしく思います。

先頭に戻る